「1週間の留学って、ぶっちゃけ意味あるの?」
短期間の留学を検討している方なら疑問に思うことですよね。私の経験上、大人が英語力アップを目的にするなら、1週間はほぼ意味ありません。
えっ、と思いましたか。でも最後まで読んでください。「意味がない」と「無駄」は全然違います。何が得られて、何が得られないのか。そして子供の話になると、これが全く別の話になります。
私は2012年にセブ島へ4ヶ月留学し、TOEIC300点台から900点台まで伸ばした経験があります。その後も2025年に子供を連れて3回、親子留学をしてきました。その経験から、包み隠さず書いていきます。
そもそも英会話とは何でできているか
突然ですが、英会話ってそもそも何でできているか、考えたことありますか?
なんとなく「英語をたくさん聞いて、たくさん話せば上手くなる」と思っていませんか。私もそう思っていました。セブ島に留学する前は。
英会話は、大きく2つの要素でできています。単語と文法です。
単語はイメージしやすいですよね。でも文法は?
「中学で習ったやつでしょ」と思った方、少し待ってください。
英文法の参考書を一冊手に取って、目次を開いてみてください。
現在形、過去形、進行形、完了形、仮定法、関係代名詞、接続詞、不定詞、動名詞……だいたい24項目前後、ずらりと並んでいます(文法書によって異なりますが、『Forest』や『Evergreen』などでは、だいたい24章〜26章前後で構成されている)。
「あ、知ってる知ってる」と思いましたか。
ここが落とし穴です。
「知っている」と「会話で使いこなせる」は、まったく別の話です。
英会話ができるとは、この24項目を「読んでわかる」レベルではなく、会話の流れの中で、考える間もなく口から出てくるレベルまで使いこなせる状態のことを言います。
では、1項目をそのレベルまで持っていくのに、どのくらいかかると思いますか?
私の場合ですが、『仮定法』つまり「もし〜だったら」のIFの表現。これをある程度スムーズに使えるようになるまで、毎日4時間勉強して1週間かかりました。
一口に仮定法と言っても、このように、実際はパターンがいくつもあります。
| パターン名 | 内容(いつの話か) | 形(If節 + 主節) | ニュアンス |
| 仮定法現在 (Zero) | 一般的な真理・習慣 | If + 現在形, 現在形 | 「〜すれば、必ず…になる」 |
| 仮定法未来 (First) | 未来の可能性 | If + 現在形, will + 動詞の原形 | 「(ひょっとしたら)〜するかも」 |
| 仮定法過去 (Second) | 現在の妄想 | If + 過去形, would + 動詞の原形 | 「(今)〜ならいいのになぁ」 |
| 仮定法過去完了 (Third) | 過去の妄想 | If + Had+過去分詞, would have + 過去分詞 | 「(あの時)〜してればなぁ」 |
1週間とは留学では7日間ではなく、5日間のことです。つまり、ほぼ1日1項目を仕上げていく計算になります。しかも実際の会話では、知らない単語も混ざってくる。
「これって通じるの?」と確かめながら、使って、失敗して、また使う。その繰り返しでやっと「あ、なんとなく使えるかも」という感覚が生まれてくる。
では24項目全部を使えるレベルに持っていくには?
これはあくまで私の体験に基づく話ですが、単純計算で6ヶ月程度はかかるのではないかと思っています。個人差は当然ありますし、もっと早い方もいるでしょう。ただ、「1ヶ月でペラペラ」という話がいかに現実とかけ離れているかは、この計算からなんとなく伝わるのではないでしょうか。
「1ヶ月で英語がペラペラに!」という広告を見るたびに、私は心の中でツッコんでいます。
「じゃあ、その1ヶ月で文法24項目どうやってマスターするんですか?」と。
1週間・2週間の留学で何ができるか【大人・社会人・学生向け】
では、1週間・2週間の留学で何ができるか。
単語はそもそも留学で解決するものではありません。これは自分でコツコツやるしかない。
文法については、正直に言います。
全体をうすく触るだけなら、自分がどこまでできてできないかがわかるだけで終わります。
それはそれで悪くはない。自分の現在地を知ることは大事です。でも「英語力が上がった」とは言えません。
もし1・2週間であるなら、一点集中をおすすめします。
willとbe going toを使った会話だけをひたすらやる。接続詞だけに絞る。仮定法だけに絞る。
そうやって1項目を徹底的に掘り下げると、帰国するころに「あ、これだけはちょっと口からすぐに(無意識に)構文が出てくる」という感覚が生まれてきます。これを繰り返したら、もしかしたら英会話できるようになるかも、、、と思えるぐらいの感じです。
それが1週間・2週間の留学で手に入る、最もリアルな成果だと思っています。
「一点集中って、具体的にどうやるの?マンツーマン授業でどう進めるの?」
そう思った方、鋭いです。
特別なメソッドを発見したわけではありません。私がやったのはシンプルで、English Grammar in Use(通称マーフィーの英文法)という教材を使って、先生と一緒にひたすらセンテンスを作る練習を大量にやっただけです。
ただ、先生と一緒に進める上では多少コツがあります。それについてはいつか別記事で詳しく紹介したいと思いますので、楽しみにしていてください。
大人が短期留学で本当に得られる3つのこと
ここまで読んで、「じゃあ1週間・2週間の留学は無駄なの?」と思った方もいるかもしれません。
そうは思いません。ただ、何を得に行くのかを正直に理解した上で行くことが大事だと思っています。
大人が1週間・2週間の留学で本当に得られるものを、正直に3つ挙げます。
① 自分の英語力の現在地を、体で知ることができる
テストのスコアとは違う、生々しいリアルです。「授業では通じるのに、街に出たら全然わからない」「ゆっくり話してもらうと聞けるけど、普通のスピードになった途端に頭が真っ白になる」。
この感覚は日本にいるだけでは、まずわかりません。自分の現在地を正確に知ることは、次の一歩を踏み出す上で、思っている以上に大きな意味を持ちます。
② 「やる・やらない」を判断する材料が手に入る
40時間(1日8時間として)でできることの限界を、体で知ることができます。
「1つの文法項目をある程度使えるようになるのに、これだけ時間がかかるんだ」という感覚は、教室で勉強しているだけでは絶対にわかりません。
この体感から、人によって出てくる結論は2つに分かれます。
「これは全体のボリュームからして、今の自分には無理だ。いったん英語は後回しにしよう」という結論も、立派な判断です。英語はあくまでツールのひとつ。人生で優先すべきことは他にいくらでもあります。やみくもに続けるより、一度立ち止まって「自分には今必要か」を判断できる方が、よほど賢い選択だと思います。
逆に「これならいける。今のうちにマスターしておこう」と火がつく人もいます。
どちらに転んでも、根拠のある判断ができるようになる。それが1週間・2週間の留学が持つ、意外と大きな価値です。
なお、英語学習は始める年齢が遅くなればなるほど習得に時間がかかり、ランニングコストも上がっていきます。これは笑えない現実ですが、だからこそ早めに「やる・やらない」を判断できることには意味があります。
③ 「自分と海外の相性」が、体でわかる
実際に来てみてわかることは多様です。
「意外と海外で生活できた」「こんなに留学が楽しいものだと思わなかった」「セブ島を機に他の国にも行ってみたい」「意外と自分は海外の方が合っている気がする」。
逆に「やっぱり日本が一番落ち着く」「海外留学は自分のスタイルじゃなかった」という結論も、来てみて初めてわかることです。どちらも正解です。来なければわからなかったことが、来ることでわかる。その価値は、英語力の上達とは全く別の次元にあります。
では費用はどう考えるか。1週間で16〜22万円。
これを「英語力アップへの投資」と考えると割高に感じるかもしれません。でも「英会話マスターへの地図を手に入れる体験」と考えたら、どうでしょうか。
1〜2週間の留学をすれば、自分に何が足りないか、どう動けばいいか、それが体感としてわかる。
その価値をどう見るかは、人それぞれだと思います。
子供の1週間留学は、大人とは別次元の話
ここまでは大人・社会人・学生の話をしてきました。でも実は、子供の話になると結論がまるっきり変わります。
大人の話をここまで読んで、「じゃあ子供も同じなの?」と思った方へ。結論から言うと、子供の1週間は大人とは別次元の話です。
正直に言いましょう。1週間で英語力はほとんど上がりません。文法24項目の高い山は、子供にとっても同じ。1週間でペラペラになる魔法なんて存在しません。
でも、子供がこの短期間で得るものは、英語力とは全く別のところにあります。
私はそれを、「海外免疫」と呼んでいます。
ここで言う免疫とは、単にトラブルに耐える力のことではありません。「世界が自分ごとになる感覚」のことです。
地図の上の「点」が、「大切な場所」に変わる瞬間
息子に起きたことを、そのままお話しします。
帰国後、テレビでフィリピンの地震のニュースが流れたとき、彼は画面を見つめてぽつりと言いました。
「セブ、大丈夫かな」
留学前、彼にとってフィリピンは地図の上の点に過ぎませんでした。それが今は、「知っている誰かが住んでいる、大切な場所」として彼の中に生きています。
ジョリビーのチキンを懐かしみ、マンゴーシェイクを欲しがり、塩味のラーメンを食べて「これセブっぽい!」と笑う。フィリピンは、息子の日常の中に溶け込んでいます。
一方で、路上で眠る同年代の子どもの姿も、彼はその目で見てきました。親が理屈で説明するより先に、その光景は強烈に焼きつく。それが何年後かに、彼の人生のどこかで何らかの指針になる。私はそう信じています。
英語の壁より先に、「心の壁」を壊しておく
なぜ、これが大事なのか。
大人になって海外を過剰に怖がる人の多くは、子供のころに海外を「肌」で体験していません。「言葉が通じないから」「食事が合わなそうだから」。怖いのは、ただ知らないからです。
でも、一度でも異文化を体に入れた子供は違います。
「なんとかなる。トラブルもあるし、お腹も壊す。でも、それが海外だよね。」
この感覚が体に刻まれている子は、大人になってからの世界との向き合い方が根本から違います。「怖いから行かない」という選択肢が、最初から存在しなくなるのです。
英語が話せるようになること以上に、この「心の境界線がない状態」は、子供の人生に長く、深く影響し続けます。「海外免疫」とは、未知の世界を面白がる「たくましさ」と、遠い国のニュースを自分のこととして捉える「共感力」を、同時に育てる体験です。
ちなみに、なぜハワイでもアメリカでもなく、セブなのか?(私は過去にハワイ留学経験あり)
それは、キラキラしたリゾートのすぐ隣に『たくましく生きる人々の体温』がある場所だからです。
それをたった1週間で手に入れられる場所。それが、セブ島なのだと思っています。
「また行きたい」が、勝手に生まれる
語学学校のジュニアキャンプに参加した子供が、翌年また来る。そのパターンが実は多いです。何年か取材を続けていた語学学校で、ジュニアキャンプに参加した子が高校生になって再び訪れているのを見たこともあります。
親が「また英語の勉強しようね」と言わなくても、子供の方から「また行きたい」と言ってくる。これは強制ではなく、自発的な動機です。英語学習を長く続けられる子供とそうでない子供の差は、この自発的な動機があるかどうかだと思っています。
1週間・2週間の留学は、魔法ではありません。でも使い方次第で、その後の人生の方向性を変えるきっかけになることは確かです。
何を得に行くのかを自分で決めてから来る。それだけで、同じ1週間がまったく違うものになります。
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セブ島留学1週間の費用はいくらくらいかかりますか?
学費・宿泊・食事込みで12〜18万円程度、航空券が4〜6万円程度で、合計16〜24万円前後が目安です。2週間の場合は学費・宿泊・食事込みで20〜30万円程度、航空券込みで24〜36万円程度になります。学校によって宿泊・食事が含まれるかどうかで大きく変わりますので、詳しくは「フィリピン・セブ島留学の費用完全版」をご覧ください。
