英会話を伸ばすには、結局たくさん話すしかない——これはもう、ほとんどの人が同意するところではないでしょうか。問題はその先です。ひとくちに「たくさん話す」と言っても、その”量”を、1日にどれだけ確実に確保できるのか。ここを真剣に数えてみると、方法によって差が——しかも「チャンスがあるか」ではなく「確実に積めるか」という意味で——驚くほど開いていることが見えてきます。
今日はその”話す時間”を、オンライン英会話・欧米留学・フィリピン留学の3つで、できるだけ正直に計算してみたいと思います。
まず大前提:英会話の”量”は、独学の基礎とは「別腹」です
単語・文法・読解は、正直なところ、日本にいて独学でもかなりのところまでいけます。本もアプリも充実しています。けれど、”話す力”だけは別腹です。読んで覚えた知識を、実際に口から出して、相手のいる会話で何度も使う——この「話した量」を別途確保しないかぎり、いつまでも”知ってるけど出てこない”ままになりがちではないでしょうか。
だからこの記事の問いは、「どの方法が効果があるか」ではありません。”話す量”はどれも、やればそれなりに効きます。本当に差がつくのは、その量を確実に・まとまって確保できるかのほうです。以下、その一点だけで3つを見ていきます。
オンライン英会話:やろうと思えばできる。でも”大量×継続”の壁がある
最初にはっきりさせておきますが、オンライン英会話は良い選択肢です。マンツーマンで、自宅で、安く、毎日話せる。密度だけ見れば、教室のグループ授業よりずっと上です。決して敵にする話ではありません。
ただ、”大量に”となると、現実の壁が出てきます。1レッスンは25分前後が主流です。仮に本気で詰め込んでも、日本で仕事や生活をしながら、自宅で集中して1日に何コマも、それを毎日——というのは、続けるのが相当に難しいのではないでしょうか。現実的に確保できるのは、頑張っても1日数コマ、せいぜい2〜3時間というところだと思われます。しかも25分単位で区切られるぶん、ウォームアップしては終わり、を繰り返すような”ぶつ切り”になりやすい。
つまりオンライン英会話は、「やれば積める。ただし、どれだけ積めるかは自分の意志と生活次第」。量の確保が自分任せ、という性質をどうしても抱えています。
欧米留学:「留学」でも、肝心の授業はグループです
では海外に出れば一気に解決するかというと、ここに大きな落とし穴があります。欧米の語学学校は、授業の多くがグループレッスンなのです。在日米国大使館の留学ガイドでも、欧米のESLプログラムはレベル別のクラスで進むのが一般的だと説明されています。 Source: 在日米国大使館「語学留学」ガイド
グループだと何が起きるか。イギリスのブリティッシュ・カウンシルが、教室での”先生の話す時間”についてこう試算しています。60分の授業で生徒が15人、先生が半分の時間を話すと、生徒1人が話せるのはわずか2分。 Source: British Council「Pros and cons of teacher talking time」(TeachingEnglish)
これは留学先の教室でも、基本は同じことが起きます。さらに欧米の一般コースは、週20コマ前後・午前から昼過ぎで授業が終わり、午後は自由時間、というのが標準的な形です。「じゃあ午後にたくさん話せばいい」——そう思いますよね。でも、その午後の会話こそが曲者なのです。話せる相手と場が見つかるかどうかは、その時の運次第。ルームメイトや遊ぶ友達がたまたま日本人ばかりだったら、午後はまるまる日本語、ということも珍しくありません。
チャンスはある。けれど、それは”確約”ではない。留学したのに思ったほど伸びなかった人の多くは、まさにここでつまずいています(このあたりは、別記事の英語の多読で「話せる」ようになる?でも触れた、「現地にいるだけでは話す量は増えない」という話とつながります)。
なお、これはあくまで”語学留学”の場合です。高校・大学などの正規留学で現地の学校に通い、英語で授業を受け、英語で生活する——となると、また事情は変わってきます。
フィリピン留学:1日6〜8時間のマンツーマンが、最初から”確約”されている
ここで、フィリピン留学を同じ電卓にかけてみます。フィリピンの語学学校は、欧米と違ってマンツーマンが標準です。たとえばセブ島のQQ Englishの公式情報では、1レッスン50分のマンツーマンを1日最大8コマ、朝9時から夕方18時の枠で受けられるコースが用意されています。6時間コースならマンツーマン6コマ、8時間コースならマンツーマン8コマ(あるいはマンツーマン+グループ)といった具合です。 Source: QQ English公式「超短期留学」
ポイントは、ここが”運任せ”ではないことです。申し込んだ時点で、1日6〜8時間、先生と1対1で話し続ける時間が確約されている。午後に誰かを探す必要も、相手が日本人で…と落胆することもありません。逃げ場がない代わりに、空振りもないのです。
オンライン英会話の現実的な上限(2〜3時間・ぶつ切り)、欧米留学の教室での実発話(1コマ数分+午後は運次第)と並べてみると、同じ「英語を話す」でも、1日あたりの”確実な発話量”がまるで違うことが分かるのではないでしょうか。効率というものを「決まった期間で、確実に、どれだけ口を動かせるか」と定義するなら——その物差しで突き抜けるのは、マンツーマンのフィリピン留学だと思われます。
基礎は日本で、”会話の差”はフィリピンで一気に詰める
ここまでを、現実的な一つの形にまとめてみます。読む・書く・単語といった基礎は、日本にいるうちに独学で固めておく。そして、いちばん埋めにくい”話す量”だけは、それが確約される環境で一気に詰める。これが、限られた時間とお金で英会話を伸ばす、いちばん無駄のないやり方ではないでしょうか。
私自身、2012年にセブ島へ留学したとき、これを身体で思い知りました。朝から晩までマンツーマンで、とにかく話さざるを得ない。考えてから話す余裕などなく、口が勝手に動くまで使い倒す日々でした。あの数か月で詰め込んだ”話した量”は、日本で同じ期間オンラインだけやっていたら、まず作れなかったと思います。逃げ場のなさが、そのまま量になっていたのです。
もちろん、誰もがすぐ留学に行けるわけではありません。まとまった休みが取れないなら、その間はオンライン英会話で量を稼ぐのは現実的な一手ですし、留学前の基礎固めとしても理にかなっています。ただ、「いつか本気で話せるようになりたい」と思うなら、どこかで一度、”話す量が確約された環境”に身を置く経験は、回り道のようでいて、いちばんの近道になるはずです。
その最有力候補が、マンツーマンのフィリピン・セブ島留学です。実際にどんな学校で、どんな1日を過ごすのか——中身が気になった方は、フィリピン留学ガイドものぞいてみてください。あなたの”話す時間”は、たぶん想像しているより、ずっと一気に増やせます。
